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2014年5月

2014年5月30日 (金)

ベッリーニ作曲 "Vanne, o rosa fortunata" 中之島バラ園にて

福田楽譜のある大阪市天王寺区から中之島公園へは、地下鉄で約15分。先日、ちょっと散歩に出かけてきました。
ビル群に囲まれたバラ園には満開のバラが咲いていました。

たくさんのバラに囲まれて歩いていると、ベッリーニの「Vanne, o rosa fortunata(お行き、幸せなバラよ)」が頭の中に流れてきました。
みなさんがこの曲を聴いたとき、曲の中で歌われているバラは何色のバラだと思われますか? わたしは真っ白なバラを思い浮かべました。
B_2
"Vanne, o rosa fortunata"
パバロッティの歌をお聴きください。

テバルディの歌です。
この歌唱が何年かは書かれていませんが、テバルディはG dur(ト長調)で歌っていると思います。後年、1974年に歌っている調は、E dur(ホ長調)に下げて歌っています。

この曲は、移調ピースでお求めいただけます。

移調ピースのサンプルもご覧ください。 

          Vanneo1c_3                   

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2014年5月28日 (水)

PCが会社にやってきた!

福田楽譜に始めてパソコンがやってきたのは、1990年。四半世紀前になろうかという程の大昔のことです。

NEC 製日の丸パソコン PC9801-XA と、沖電気製のレーザービームプリンタ(ページプリンタ) OKI-Microline 801PS II とを組み合わせて、ある大手印刷会社が企画した楽譜浄書ソフトウェアを利用するシステムが福田楽譜に導入されました。結局、このシステムは使い物にならず、この PC9801 と Microline は不良資産というか、場所ふさぎの高価な飾りとして事務所の片隅にしばらくしずかに鎮座していました。
Microline801ps_5  
OKI-Microline 801PS II は、解像度 400dpi と当時としては画期的な高解像度をほこり、それまでのおもちゃに毛が生えたようなドット絵しか打ち出せないプリンターとは異なり、音符やト音記号を打ち出しても版下として利用可能な印字品質を、当社のような零細企業でも手が届く価格で提供してくれました。

しかし、いかんせん肝心の浄書ソフトが役に立たないため、Microline が印字してくれた楽譜を納品することは、しばらくできないでいました。

翌年、1991年の夏、浄書ソフト「SCORE-2.0」がやってきました((その当時、SCOREを販売していたアメリカのPassport Design社と FAX でやりとりして、航空便で送られてきました )。
現在ちまたにあふれているパソコンのご先祖さまとも言える IBM の PC(とはいっても、私たちが導入したのは、高価な IBM の PC ではなく、「PC 互換機」のハシリでした)。その PC 上の OS は、(まだ  Windows はこの世の中になく) MS-DOS でした。SCORE-2.0 は、英語版の MS-DOS 上で走っていました。
            Scorefloppys_2             Scoremanual_2

SCORE-2.0 は、EPS ファイルをはき出すことができ、この EPS ファイルを OKI-Microline が解釈して、楽譜版下を印刷していました。OKI-Microline が組むタッグの相手が、NEC パソコンから IBM (互換機) CP へと日米選手交代したわけですね。

スラーやらクレッシェンドやらの、水平からわずかに浅く角度がついた線は、400dpi の出力解像度では滑らかに打ちだせないため、作るべきサイズの楽譜を拡大して出力し、それを納品用の印画紙に焼くときに縮小するという、手間のかかることをしていました。このようにして、この年はじめて PC 出力の楽譜版下をクライアント様にお納めすることができるようになりました 。

今、2014年。今年になってからようやく始めた、Windows XP から Windows 7、Windows 8 への移行作業も、ようやく先日完了しました。結構大変な作業でしたが、あの MS-DOS から数えると、何回目の OS 移行作業だったのでしょうか。感慨深いものがあり、つい昔の思い出話をしてしまいました。

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2014年5月26日 (月)

誰も寝てはならぬ-移調ピースのご案内

少し前の話になりますが、5月の連休前に、映画「テルマエ・ロマエ」をTVで放映していたそうですね。わたしは見ていなかったんですが、当社のスタッフ(彼女は、デザインと印刷製本を担当しています。わたしの妹です) が見て、「楽しかったよ。全曲ではなかったけど、オペラのアリアもたくさん聴けたしね」と話していました。

「Nessun Dorma」 (誰も寝てはならぬ)も、映画の中で流れていたそうです。
2006年に、パヴァロッティがトリノオリンピックの開会式でこの曲を歌ったことは有名ですね。そのトリノオリンピックで荒川静香さんがフリースケートの伴奏として使ったときには、福田楽譜には、この移調ピースの注文がたくさんありました。

「Nessun Dorma」は、移調ピースで一番人気がある曲です。
男女の数で言えば、少々男性の方が多いものの、ほぼ同じ割合でお買い上げいただいています。
男性女性とも、一番多い希望の調は、ヘ長調[F dur]でした。
ヘ長調では、最低音がド、最高音がラになります。
(女性の場合は、ホ長調[E dur]も同数でした)

映画「テルマエ・ロマエ」ではラッセル・ワトソンが歌っています。
こちらは2001年のNessun Dormaです。

パヴァロッティのNessun Dorma(1994)です。彼が一番輝いていた時代の演奏です。

女性の歌うNessun Dormaはこちらです。

サラ・ブライトマン (2007)

ジャッキー・エヴァンコ(2011)


みなさんも、歌ってみませんか?

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2014年5月20日 (火)

オペラ「夕鶴」 初演時の練習楽譜

團伊玖磨作曲のオペラ「夕鶴」は、1952年1月30日、大阪朝日会館で初演されたそうです。

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写真の楽譜はオペラ出演者の練習のために、当社が作成したピアノ伴奏版「夕鶴」です。
オペラの練習では、最初からオーケストラと合わせて練習するわけではありません。オーケストラ譜をピアノで弾けるようにアレンジしたピアノ伴奏版の譜をつくり、その楽譜を使って練習します。写真の楽譜は、この前の記事でご紹介したミュージックライターが来る前の時代の楽譜で、ガリ版印刷で作られています。全188ページを、1ページずつローラーを転がして手作業で「印刷」したんでしょうね。何部刷られたのかは、今となっては不明です。

表紙を描いたのは、洋画家、米田三男之介(1913-1981)だそうです。

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2014年5月16日 (金)

ミュージックライター(MusicWriter) その1

 

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福田楽譜が、ガリ版手書きの楽譜浄書屋さんからもうちょっと本格的な楽譜版下作成会社へと変身するきっかけを与えてくれたのが、ミュージックライター(MusicWriter)です。
当時のミュージックライターが一台、残っていました。楽譜のタイプライターですね。
当社ではこれを、1958年前後から1992年ころまで使っていました。

取扱説明書を見ると、アメリカ、コロラド州のMusic Print Corporationという会社が製造していたようです。日本の代理店に輸入してもらっていたらしく、「納期 6ヶ月」と書かれている書類が見つかりました。

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わたしが当社でおしごとを始めた頃、1988年頃には、このミュージックライターが現役で使われていました。

詳しいお話は、また機会があれば。

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2014年5月15日 (木)

オペラのアリア、歌いませんか

わたしはオペラと、(今をさかのぼることウン十年)高校2年生のときにはじめて出会いました。たまたま見ていたテレビから、オペラのアリアが流れてきました。歌劇「道化師」より「衣装をつけろ」。二期会のテノール、田口興輔さんが歌っておられました。短いアリアでしたが、そのときの心のたかなりは、今でも忘れられません。
その頃わたしは、音楽大学のピアノ科を目指していました。念願かなって希望していた学校に入学したものの、あのときの感動が忘れられず、2年後に声楽科に入学し直してしまいました。

声楽科入学後は、レッスンで課題となるオペラ・アリアだけでなく、年中、いろんなアリアを楽しんで歌っていました。わたしはソプラノでしたが、アルトや男声のアリアにも、美しい曲がたくさんあります。「衣装をつけろ」は歌えなかったけれど、「プロバンスの海と陸」や「冷たい手を」は大好きでした。

若いときには、訓練すれば声域は広がります。だんだんと歌えるアリアが増えていくのは、楽しいことでした。でも年を取ると、残念なことですが、高い音が出なくなります。わたしも若い頃には加線が2本ついたレの音まで出たけれど、今は加線1本のラの音までしか出なくなりました。今まで歌えていた曲が、歌えなくなっているのです。
しかし今でも、若い頃と同じように、アリアを歌いたい・・・。

オペラのアリアを歌いましょう。
「アリアを移調なんて、していいの?」
オペラのアリアの移調ピースを企画したときに、そう言われたことがあります。歌曲は声域に合わせて移調して歌うことが一般的ですが、オペラのアリアは、オリジナルで歌うのが基本ということになっているようです。でも、有名なプロの歌手でも、移調して歌っているアリアもあるんですよ。

今、ブログを書いていると、田口さんの歌が聴きたくなってきました。You Tubeを探すと、「衣装をつけろ」が見つかりました。やっぱり、素晴らしいですね。

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2014年5月12日 (月)

移調ピース

福田楽譜のもう一つのお仕事として、声楽移調ピースのご提供があります。

「ソプラノだけど、テノールのアリアを歌ってみたい」
「曲の音程が高すぎるので移調してほしい。でも、ちょっと歌ってみたいだけだし、高いお金は払えない」
...などというお客様の声にお応えして(実は私自身がこのようなサービスを必要としていたんですが...)、2000年に『移調ピース』の販売を始めました。

ご自身の声域に合った音程の楽譜を、ピアノピースのように1曲ずつ購入できます。Hyoushi02_3

現在、歌曲約140曲、オペラアリア約60曲の楽譜を用意してご利用をお待ちしています。

移調ピースは、福田楽譜のホームページで購入することができます。

曲を決めて、ご希望の調名を選んでいただくだけで、どんな調にでも移調してお送りします。ご自分のほしい調が何調かわからないときには、購入したい曲の一番高い音や始まりの音を、お電話かメールでお教えください。ご希望の調を判断させていただき、こちらからご連絡差し上げます。

「うたいたい曲を歌う」
そのお手伝いを私たちにさせてください。 

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2014年5月 2日 (金)

どんな仕事?

福田楽譜は楽譜の版下作成会社です。
今日は、福田楽譜の仕事--私たちの仕事--を簡単にご紹介します。

当社では印刷用楽譜版下を作る仕事をしていますが、これには2種類の作業が必要です。一つは楽譜浄書。楽譜浄書とは、文字どおり楽譜を浄(きよ)めること、すなわちきれいにすることです。もう一つは、その楽譜を版下にする作業。こうしてできあがった版下を印刷会社様にお納めしています。

当社に渡される楽譜の原稿は、手書きであったり、音符データだけが入力された「素の楽譜」であることがほとんどです。この素の楽譜を、Finaleという楽譜浄書用のソフトを使って、「正しく」読みやすい、ほぼ完成状態の楽譜にします。

次にその楽譜を印刷用の版下にする作業に入ります。ここでは、デザイン用ソフトのイラストレータを使います。版下を作る前に、Finaleでは書き表せなかった部分を、このソフトを使って修正することもあります。楽譜が完成すると、タイトルなどのフォントを決め、ノンブル(ページ番号)を入れ、印刷のガイドとなる「トンボ」をつけ、印刷色の指定をします。ときには画像を貼り込むこともあります。これで、印刷用の楽譜版下ができあがりました。数年前までは、出来上がった版下は紙に打ち出して印刷会社に納めていましたが、今はほとんどデータで渡すようになっています。

福田楽譜が創業された当時は、ガリ版や鉄筆を使って、楽譜を作っていました。その後、パソコンやネットワーク、浄書専用ソフトの発達につれて、仕事のすすめ方も内容もずいぶん変わってきました。

Olympia_3
 当社が1990年頃まで使用していたミュージックライター

またいつか、そういうお話もしたいと思っています。

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2014年5月 1日 (木)

こんにちは

福田楽譜は、1947年、大阪の上町台地に「福田プリント社」として創業しました。

このブログでは、福田楽譜の生い立ちや歴史、楽譜浄書のこと、日々の出来事などをお話できればと思っています。
どうぞよろしくお願いします。

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