PCが会社にやってきた!
福田楽譜に始めてパソコンがやってきたのは、1990年。四半世紀前になろうかという程の大昔のことです。
NEC 製日の丸パソコン PC9801-XA と、沖電気製のレーザービームプリンタ(ページプリンタ) OKI-Microline 801PS II とを組み合わせて、ある大手印刷会社が企画した楽譜浄書ソフトウェアを利用するシステムが福田楽譜に導入されました。結局、このシステムは使い物にならず、この PC9801 と Microline は不良資産というか、場所ふさぎの高価な飾りとして事務所の片隅にしばらくしずかに鎮座していました。
OKI-Microline 801PS II は、解像度 400dpi と当時としては画期的な高解像度をほこり、それまでのおもちゃに毛が生えたようなドット絵しか打ち出せないプリンターとは異なり、音符やト音記号を打ち出しても版下として利用可能な印字品質を、当社のような零細企業でも手が届く価格で提供してくれました。
しかし、いかんせん肝心の浄書ソフトが役に立たないため、Microline が印字してくれた楽譜を納品することは、しばらくできないでいました。
翌年、1991年の夏、浄書ソフト「SCORE-2.0」がやってきました((その当時、SCOREを販売していたアメリカのPassport Design社と FAX でやりとりして、航空便で送られてきました )。
現在ちまたにあふれているパソコンのご先祖さまとも言える IBM の PC(とはいっても、私たちが導入したのは、高価な IBM の PC ではなく、「PC 互換機」のハシリでした)。その PC 上の OS は、(まだ Windows はこの世の中になく) MS-DOS でした。SCORE-2.0 は、英語版の MS-DOS 上で走っていました。
SCORE-2.0 は、EPS ファイルをはき出すことができ、この EPS ファイルを OKI-Microline が解釈して、楽譜版下を印刷していました。OKI-Microline が組むタッグの相手が、NEC パソコンから IBM (互換機) CP へと日米選手交代したわけですね。
スラーやらクレッシェンドやらの、水平からわずかに浅く角度がついた線は、400dpi の出力解像度では滑らかに打ちだせないため、作るべきサイズの楽譜を拡大して出力し、それを納品用の印画紙に焼くときに縮小するという、手間のかかることをしていました。このようにして、この年はじめて PC 出力の楽譜版下をクライアント様にお納めすることができるようになりました 。
今、2014年。今年になってからようやく始めた、Windows XP から Windows 7、Windows 8 への移行作業も、ようやく先日完了しました。結構大変な作業でしたが、あの MS-DOS から数えると、何回目の OS 移行作業だったのでしょうか。感慨深いものがあり、つい昔の思い出話をしてしまいました。
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