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2014年6月25日 (水)

ネットワークが会社にやってきた

1992年。
カラオケブームです。

演歌やら和製ポップスやらのカラオケテープ(8トラカセット!)には、歌詞だけのせたのでは格好がつかないからか、五線譜も付属していました。福田楽譜も、その版下の製作のお仕事をたくさんいただきました。

当社が誇る主力兵器は、先日のブログでご紹介した「SCORE-2.0」です。
しかし、この SCORE 君、アメリカ生まれで日本語が不自由。カラオケのひらがな歌詞を楽譜上に並べられません。

さらに、SCORE 君、得意な音楽ジャンルはクラシック。ポピュラー音楽はちょっと苦手。楽譜上に和音のコードを貼り付けるのも得意じゃない。

しかたがないので、しばらくお休みしていただいていた NEC 製日の丸パソコン PC9801 を引っ張り出してきて、レーザービームプリンタを再びこのパソコンに接続。日本語得意なこの PC9801 で歌詞と和音コードとを後処理で(SCORE-2.0がはき出した) EPS ファイルに追加するソフトをBASICで作ってやることにしました。

この結果、版下作成作業の流れは、次のようになりました。

1.  IBM PC/AT 互換機上でSCORE-2.0を走らせ、楽譜をつくる。このとき、歌詞と和音コードは、アルファベット(=ローマ字)で入れてしまう。
2.  できあがった楽譜データが入った EPS ファイルをフロッピーディスクに入れて、PC9801 へと持って行く。
3.  PC9801 上で EPS ファイルを読み取って、そのファイル内の歌詞と和音コードのアルファベットをひらがな歌詞と和音コードに翻訳するソフトを走らせる。できあがった EPS ファイルを Microline (プリンタ)へと送り、日本語歌詞&和音コード付き楽譜版下をプリントアウトする。

この2番目の作業が邪魔くさい。今なら、LANでつながった先のPCへと転送するだけの簡単な作業です。でもこの当時、PC 用拡張 LAN ボードは高価であり、本体のパソコンに匹敵するくらいの値段がついていました。とうてい零細企業が買えるようなしろものではありません(そもそも、MS-DOS パソコンだけではネットワークを組めなかったような...)。
これまた、しかたがないので、Maxlink というソフトを探し出してきました。当時のパソコンにはたいてい設けられていたシリアルポート(RS-232Cポート)をクロスケーブルで相互接続すると、ファイル転送できるよというソフトです。このソフトを走らせた複数台の PC/AT 互換機と一台の PC9801 との間に、シリアルポートの切り替えボックスを挟んで、「なんちゃって手動 LAN」の完成。

Ethernet の LAN が当社にやってきたのは、1995年ごろ。Windows 3.1、IBM-OS2、Windows 95 などのネットワーク対応の OS がでた頃です。それまで、3 年ほどはこの「なんちゃって LAN」がわが社では稼働していました。

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