異名同音に替える場合-移調ピースの場合
福田楽譜の移調ピースは、どんな調にでも移調します。
先日「Nessun Dormaを変ト長調(Ges dur)へ移調」のご注文がありました。
変ト長調は♭が6つの調号です。移調してみると、ダブル♭がたくさんつきました。
こういう譜面を渡されると、伴奏者はちょっと困ったな、と思うかもしれません。 初見で弾く場合もあるでしょうし、臨時記号は少ない方が、読む負担も少なく弾き間違いも少なくなります。
さてこういう場合、当社では、お客様にダブルフラットのままにするか、その音に対し異名同音的転換をするか(臨時記号の少ない音に置き換えるか)をお選びいただいています。
異名同音というのは、平均律(※)において、音名は異なるけれど、実際に鳴らした音は同じである音のことを言います。下に2つほど、例をあげます。
そして、変ト長調の「Nessun Dorma」は、このように変えました。
先にも書いたように、臨時記号が少ない方が演奏しやすくなります 。ただ、和音進行や和音の成り立ちを考えたい場合には、異名同音に変えるとわかりにくくなります。
他の調の楽譜をお持ちの場合には、伴奏者の演奏の負担を少なくすることを優先して、臨時記号の少ない楽譜にしていただく方が、よいだろうと思っています。
※「平均律」というのは、1オクターブを12の半音に等分する音律(音響学の理論に基づいて、楽音間の関係をさだめたもの)で、十二平均律ともいう。
<新訂音楽通論 山縣茂太郎著 音楽之友社より>
| 固定リンク
「 楽譜」カテゴリの記事
- 北川文雄『ピアノデュオ作品集』出版のお知らせ(2023.06.08)
- 移調ピース 新曲のお知らせ(2月~7月)(2022.07.20)
- 今年もよろしくお願いします(2022.02.09)
- 移調ピース、送料変更のお知らせ(2021.10.06)
- オンラインショップが新しくなりました(2021.06.18)
「 記譜」カテゴリの記事
- ちょっと変わった移調ピースのご注文(2016.06.01)
- Courtesy accidental (親切な臨時記号)(2015.06.02)
- 楽譜を比べてみると(2015.02.05)
- タイとスラーの組み合わせ(2014.10.31)
- 英語で何ていう?(2014.09.26)
コメント