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2014年8月

2014年8月29日 (金)

ラフマニノフ作曲 Vocalise(ヴォカリーズ)-移調ピースの新譜

移調ピース、新譜のお知らせです。

前回の移調ピース新譜紹介から早一月がたってしまいました。移調ピースは、もっと頻繁に新しいものをご提供したいと考えているのですが、この8月は書籍版下作成業務がたて込み遅れてしまいました。新譜を心待ちにしてくださっている移調ピース「ファン」の皆さま、申し訳ありませんでした。

さて今回は、ラフマニノフ作曲「Vocalise(ヴォカリーズ)」です。

1912年作曲のソプラノまたはテノールのための「14の歌曲集」(作品34)の終曲であり、とっても有名な曲なので、きっとみなさま、どこかでお聴きになったことがあるでしょう。

「ヴォカリーズ」とは、"The Harvard dictionary of Music"によれば、次のように定義されています。
「歌詞のない声楽のための作品。19世紀の初めに、声楽のテクニックやソルフェージュの練習として発表された」

わたしはこの曲を歌ったときに、自分が楽器になったような感じがしました。歌詞の内容を歌うのではなく、曲から得た感情を一つの母音にこめて演奏するというのは、メロディ楽器と共通するものがあるのではないでしょうか。

キリ・テ・カナワのVocaliseです。
特に最後の部分は、胸が熱くなります。

フィラデルフィア管弦楽団、指揮ラフマニノフ。1929年レコーディングの演奏だそうです。

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2014年8月22日 (金)

Caesura (カエスーラ)

皆さん、こんな記号をご存じでしょうか?

Caesura

この記号 (//) は、Caesura(カエスーラ)といって、交響曲の楽譜で見かけることが多い記号です。

福田楽譜に依頼がくるお仕事は歌に関する楽譜が多く、わたしが交響曲の楽譜を初めて作ったのは2000年のことでした(それまで Caesura など見たこともなく、偉そうに「こんな記号ご存じでしょうか?」などと言ってしまった自分が恥ずかしい...)。
そのときのお仕事は、関西のバレエ団からのご依頼で、手書きの「ドン・キホーテ」の総譜からパート譜を作るというものでした。その楽譜は、ロシアがまだソビエト連邦だった時代に、ソ連のあるバレエ団が所有していたもので、ソ連崩壊の際に混乱の中で救い出されてきた楽譜だったそうです。ある縁から関西のバレエ団がこの総譜を手にいれたもののパート譜がなく、公演でこの「ドン・キホーテ」を演じるためには、パート譜を作る必要がありました。
わたしはそれまで、ピアノや歌の楽譜については楽譜をたくさん見ていたのですが、交響曲の楽譜をじっくり見たことがなく、始めは「総譜からパート譜に書き写すだけ」のかんたんな仕事だろうと思っていました。しかし、その楽譜は手書きで見づらく、音の不確かな部分もあり、他の楽器の音と比べながら楽譜を作るという作業が必要になりました。
また、楽譜に表記された記号も、歌やピアノの楽譜では見たことのない記号がいろいろありました。その中の一つが、このCaesuraでした。記号がついた箇所のメロディを頭で追ってみると、息継ぎみたいな気がしたのですが、はっきりしたことはわからないので、調べてみました。

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カエスーラ(//)とは、小さな休止またはテンポの中断である(音の中断を暗示する)。カエスーラの休止は、息継ぎ記号よりもわずかに長いが、フェルマータよりも短い。("Essential Dictionary of Music Notation"より)]
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楽譜は五線と音符で成り立っていて、楽譜の記譜法さえ知っていればどんな楽譜でも簡単に作れそうです。しかし、種類が違う音楽の楽譜は、同じクラシックというジャンルのものであってさえ、知らないことがまだまたくさんあるのだと思い知らされました。
さらに、交響曲の楽譜を作るためには、楽器の特性や交響曲楽譜の規則を知らなければならないことも学びました。

その後、 総譜や現代曲、珍しい楽器用の楽譜を作るお仕事が舞いこむようになってきました。ハープの楽譜では楽しい出会いがあり、そのお話をまたいつかしたいな、と思っています。

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2014年8月19日 (火)

ねむの花

お盆休みが終わりました。みなさま、どのようなお休みを過ごされましたか?
お休みの一日、わたしは近くの生駒山へ登りました。生駒山から信貴山の近くまで歩いたのですが、途中でねむの花が咲いているのを見つけました。

中田喜直作曲の美しい日本歌曲です。今回は合唱版をお送りします。


福田楽譜に依頼がある移調のうち、日本歌曲は約1/3ほどです。
移調ピースに日本歌曲を加えたいのですが、著作権の問題があり、まだ実現できずにいます。
何か解決方法を考えて、実現できるようにしたいと思っているのですが・・・。

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2014年8月 6日 (水)

現存確認最古の福田楽譜制作楽譜

先日、福田楽譜が発行した古い楽譜をいただきました。
その楽譜は、現在福田楽譜に残されているどの楽譜よりも古く、当社がかつて作った楽譜の中でも最古の楽譜でした。
Photo_5       Photo_6

ここにはまだ、「福田楽譜」という名前は見られず、「印刷兼発行者」として、初代社長(私の父)の名前が書かれてあります。
そして、もう一箇所気になった部分。「軍政部検閲番号」という文字が読み取れます。昭和22年にはもう戦争が終わっているのに、軍の検閲が必要だったのかと不思議に思いました。少し調べてみると、「軍政部検閲」は日本軍の検閲ではなく、「GHQ」による検閲だったようです。たかが楽譜に対してさえ、表現の自由がなかった時代があったんですね。

楽譜をくださったのは、林慶冶郎先生でした。関西学院グリークラブや男声合唱団の指揮者、編曲者として活躍された林雄一郎氏の弟様です。慶冶郎先生ご自身ももう89歳ですが、今でも合唱団の指揮者としてご活躍されています。

友人の紹介でお会いすることができ、お昼をいただきながら3時間ほどお話しを伺いました。昭和17、8年頃から戦後の大阪や関西の音楽業界にまつわるお話しなど、興味深いお話しをたくさんしていただきました。録音を取らせていただいたので、いつかそのお話しを当ブログで紹介できたらと思っています。

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