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2014年10月17日 (金)

N.T楽譜

福田楽譜から徒歩5分ほどのところに、聖徳太子が建立した四天王寺があります。
毎年春と秋の2回、四天王寺の境内では「大古本祭り」が開かれていて、結構たくさんの人が本を探しにきます。ここ数年、わたしも古本市があるたびに、何か面白そうな本がないかな、と見にいっています。先週末に開催された今年秋の古本祭りにも、散歩がてらに行ってきました。

今回の掘り出し物はコレでした。
「兵庫の音楽史」著者:八木真平 発行所:神戸新聞出版センター

兵庫県の音楽事情を解説した本であり、特に明治以降に同県で活躍された音楽関係の方々について詳しく書かれていました。読んでいくうちに、「N.T楽譜」という楽譜についての解説を見つけました。

わたしは古い楽譜を見るのが好きで、この種の古本市やオークションで気に入った楽譜を見つけると、買ってしまうことがあります。それほどたくさん古楽譜が集まったわけではありませんが、その中でも大正や昭和の初め頃の楽譜が「お気に入り」です。この時代には小さな楽譜出版社がたくさんあったようで、わたしが知らない出版社の楽譜があれば手に入れたくなります。集めた楽譜の奥付を見ていると、今でも営業している楽譜出版社もありますが、もう今は廃業しただろう楽譜出版社も見つけることができます。

「兵庫の音楽史」を読んでいるうちに、そうやって以前買い求めた楽譜の中に、「N.T楽譜」という出版社の楽譜があったのを思い出しました。
その古楽譜を取り出してみると、表紙の一番下には「大阪音楽学校楽友會出版部」とあり、題名の上に「N.T楽譜」と大きく記されています。
Nt1    Nt2

「兵庫の音楽史」には、「N.T楽譜」について、このように書かれていました。
「・・・この大阪音楽学校(注:現在の大阪音楽大学)設立前後から、二人は(注:永井幸次、田中銀之助)作品を「NT楽譜」として大阪で出版した。曲はいずれも明るい感じのもので、大変親しみやすいものだったので、多くの人たちに愛唱された。この楽譜出版による利益は、ほとんど大阪音楽学校の初期の運営資金にあてられていた。」
永井幸次は、のちに大阪音楽大学の学長となる方です。

おそらく、福田楽譜も同じように小さな楽譜制作会社だし、個人がやり始めた楽譜出版社に興味があるのかもしれませんね。わたしが集めたいろんな古い楽譜も、またお見せ出来たらなあと思っています。

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