« 黒いアネモネ | トップページ | セノオ楽譜 »

2014年10月31日 (金)

タイとスラーの組み合わせ

同じフレーズの中にタイとスラーがあったとき、どのようにつなぐのが正しいのでしょうか。

まず、前にタイがある場合。
Photo

この場合は、ほとんど誰もがタイの前側の音からつなぎますよね。
では、タイが後側にある場合はどうでしょう。
たとえば、こんな場合。
Photo_2

タイの前側の音につないだ楽譜もありますが、記譜として正しいのは、タイの後側の音につないだもののようです。

Music Notation (by Gardner Read)には、こう書かれていました。
「タイで結んだ音符で終わる楽句(passage)にスラーをかけるときには、スラー記号は、タイで結んだ前側の音符までで終わるのではなく、後側の音符まで伸ばさなければならない。 この規則を支配する原則は明瞭である。すなわち、タイによって音を伸ばさなければならないのであれば、歌い手や管楽器演奏者の息継ぎ、弦楽器演奏者の弓使いは、その最初の音で止めることはできないからである。」
この「原則」はもっともであり、彼の説にしたがった記譜法がもっともじゃないかな、と私は考えています。

ただ、後側にタイがいくつも付いている場合には、前の音につないだ方がわかりやすいとも思います。

2_2

正しくてもわかりにくい楽譜では、楽譜本来の目的からはずれてしまいます。
「まず正しい基本に則る。でも、場合によっては臨機応変に」というのが大切じゃないかな、と考えています。

|

« 黒いアネモネ | トップページ | セノオ楽譜 »

記譜」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: タイとスラーの組み合わせ:

« 黒いアネモネ | トップページ | セノオ楽譜 »